
11月8日に東海地方で発生した地震でエレベーターが止まった!岐阜市の管理物件で実際に発生した停止事例と復旧対応を紹介
2026年11月8日午前1時04分頃、静岡県西部を震源とするマグニチュード5.7の地震が発生しました。愛知県知多市では最大震度5強を観測し、岐阜県内でも震度5弱から3程度の揺れが観測されました。弊社管理物件では、この地震の影響によりエレベーターの安全装置が作動したとみられる停止事案が発生しました。
エレベーターは日常生活に欠かせない設備です。特に高齢者の方や小さなお子様がいらっしゃるご家庭では、数時間停止するだけでも大きな影響が生じます。
今回は、実際に弊社管理物件で発生したエレベーター停止事案について、管理会社としてどのような対応を行ったのかを時系列でご紹介します。
オーナー様からの緊急連絡
11月8日午前9時42分。
建物オーナー様から弊社へ一本の電話が入りました。
「エレベーターが止まっているので、すぐに確認してほしい」
との内容でした。
設備トラブルの場合、まず考えられるのは停電やブレーカーの遮断、あるいはドア周辺への異物混入などです。
私も現地へ向かう車中では、
- ・エレベーター用ブレーカーが落ちているのではないか
- ・ドアのレール部分に石などが挟まったのではないか
- ・制御盤で何らかのエラーが発生しているのではないか
といった可能性を考えていました。
しかし移動中に、あることを思い出しました。
それは当日の未明に東海地方で地震が発生していたことです。
近年のエレベーターには安全機能が搭載されており、一定以上の揺れを感知すると自動停止する仕組みがあります。
「もしかすると地震による安全装置が作動したのかもしれない」
そう考えながら現地へ向かいました。
現地到着、エレベーターの状態を確認
午前9時48分、現地に到着しました。
まずはエレベーターの動作確認を実施しました。

【なにも点灯していない状態でした】
呼び出しボタンを押してみると、
- ・上下ボタンは点灯する
- ・階数表示ランプは消灯したまま
- ・ドアは開かない
- ・昇降音も聞こえない
という状態でした。

【上下ボタンは押しているあいだは点灯しました】

【階数ボタンは点灯せず】
電源は供給されているようでしたが、エレベーター自体は完全に停止している状況です。
この時点で停電の可能性は低くなりました。
さらに階数表示が消灯していることから、安全装置による停止や制御システムの保護動作である可能性が高いと考えられました。
保守会社へ緊急連絡
午前9時50分。
エレベーター保守会社へ緊急連絡を行いました。
しかし当日は休日だったこともあり、通常窓口は対応時間外。
緊急連絡先へ電話をかけましたが、すぐにはつながりませんでした。
おそらく地震の影響で同様の問い合わせが多数発生していたものと思われます。
そこで電話連絡と並行して別の方法を試しました。
エレベーター入口に設置されていた災害時受付用コードを読み取り、専用窓口から
「エレベーターが停止している」
との報告を実施しました。
受付は無事完了したため、少なくとも保守会社側には停止情報が伝達された状態となりました。

【コードはぼかしてあります。コードを読み取ると物件も特定されます】
トラブル発生時は「まず受付を完了させること」が重要です。
電話がつながらなくても、受付手段が複数用意されている場合は積極的に活用する必要があります。
配電盤を確認
続いて建物内の配電盤を確認しました。
設備担当者であればまず確認するポイントですが、停止原因が電気系統にある場合はブレーカーの状態確認が欠かせません。
しかし確認した結果、
エレベーター関連のブレーカーはすべてON状態
でした。

【すべてONでした】

【すべてONでした】
つまり、
- ・ブレーカー遮断
- ・停電
- ・電源供給停止
ではないことが確認できました。

【ONでした】
このことからも、地震による安全装置作動の可能性がさらに高まりました。
オーナー様へ経過報告
午前9時59分。
現場確認の結果を建物オーナー様へ報告しました。
報告内容は、
- ・エレベーターが停止していること
- ・電源は入っていること
- ・ブレーカー異常は確認されていないこと
- ・保守会社への緊急連絡を実施していること
などです。
管理会社としては、単に現場確認を行うだけではなく、オーナー様へ適切なタイミングで状況報告を行うことも重要な業務です。
設備トラブルが長引く場合、「今どうなっているのか」が分からないことがオーナー様の不安につながるためです。
入居者様への周知を開始
同時に弊社事務所へ連絡を行いました。
依頼した内容は、
「エレベーター停止中」
「エレベーター保守会社へ復旧依頼済み」
という掲示物の作成です。
エレベーター停止時には電話による問い合わせが集中することがあります。
しかし、掲示物によって現状が分かれば、多くの入居者様の不安を軽減できます。
管理の現場では設備対応だけでなく、情報提供も非常に重要な業務です。
保守会社とようやく電話がつながる
午前10時13分。
再度保守会社へ電話をかけたところ、ようやく担当窓口と通話することができました。
現状を詳しく説明します。
- ・エレベーターは完全停止状態
- ・階数表示なし
- ・ドア開閉なし
- ・かご(BOX)がどの階にいるか不明
- ・かご内に人がいるかも不明
という状況を伝えました。
担当者からは、
「地震による停止の可能性が高い」
との回答がありました。
近年のエレベーターには地震時管制運転装置が設置されているものがあります。
一定以上の揺れを感知すると自動停止し、安全確認が完了するまでは再運転できない仕組みです。
今回もそのケースの可能性が高いとのことでした。
管理会社では復旧できない
併せて、
「管理会社側で復旧に関してできることはありますか」
と確認しました。
しかし回答は、
「現地スタッフによる安全確認後でなければ復旧できません」
とのことでした。
確かにエレベーターは人命に関わる設備です。
地震により、
- ・ガイドレールの変形
- ・昇降路内の障害物
- ・ワイヤーへの異常負荷
- ・センサー異常
などが発生している可能性があります。
仮に無理に再起動して事故が発生すれば重大な結果につながります。
そのため専門技術者による点検が絶対条件となるのです。
掲示物を設置
その後、事務所から弊社スタッフが現地へ掲示物を届けてくれました。

届いた掲示物を、
- ・エントランス
- ・各階エレベーター前
へ掲示しました。

エレベーターは何度も利用する設備です。
一か所だけの掲示では見落としが発生することもあります。
そのため利用者の目に入る場所へ複数掲示することで、状況を分かりやすくお知らせしました。
入居者様とのやり取り
現地対応中には複数の入居者様とお会いしました。
当然ながら、
「故障ですか?」
「いつ直りますか?」
と気にされている方もいらっしゃいました。
そこで、
「未明の地震による安全装置作動の可能性が高いこと」
「保守会社へ復旧依頼済みであること」
を説明しました。
すると、
「けっこう揺れましたもんね」
「それなら仕方ないですね」
といったお言葉をいただきました。
今回改めて感じたのは、設備トラブル時に重要なのは復旧作業だけではないということです。
状況説明がきちんと行われることで、入居者様の不安は大きく軽減されます。
管理会社としての役割の一つは、その橋渡しにあると感じました。
復旧連絡が入る
そして午後1時17分。
エレベーター保守会社の現場担当者から電話が入りました。
内容は、
「安全確認が完了し、現在復旧しました」
というものでした。
やはり地震の影響による安全停止だったようで、現地での点検により安全性が確認され、運転再開に至ったとのことでした。
現場で異常が確認されればさらに長時間停止していた可能性もありますが、今回は安全確認のみで復旧できたため大きな影響には至りませんでした。
オーナー様へ復旧報告
午後1時25分。
復旧確認後、建物オーナー様へ連絡しました。
- ・保守会社による点検が完了したこと
- ・安全性が確認されたこと
- ・エレベーターが通常運転へ復帰したこと
を報告しました。
朝から続いた設備トラブルでしたが、こうして無事に復旧のご報告まで行うことができました。
まとめ ~災害時こそ管理会社の対応力が問われる~
今回の事例では、未明に発生した地震によりエレベーターの安全装置が作動し、運転が停止した可能性が高い事案でした。
管理会社として行った対応を整理すると、
| 時刻 | 対応内容 |
|---|---|
| 9:42 | オーナー様から連絡 |
| 9:48 | 現地到着、状況確認 |
| 9:50 | 保守会社へ連絡・災害受付実施 |
| 9:50頃 | 配電盤・ブレーカー確認 |
| 9:59 | オーナー様へ状況報告 |
| 10:13 | 保守会社と通話、復旧手配確認 |
| 10:20頃 | 掲示物設置・入居者対応 |
| 13:17 | 保守会社より復旧連絡 |
| 13:25 | オーナー様へ復旧報告 |
エレベーターは建物の維持管理において極めて重要な設備です。しかし、管理会社ができることには限りがあります。だからこそ、迅速な現地確認、保守会社との連携、オーナー様への報告、入居者様への周知を的確に行うことが求められます。
今回も改めて感じたのは、「設備を直すこと」だけが管理ではないということです。現場確認、情報共有、説明責任を果たしながら、安心して住み続けられる環境を維持することこそが管理会社の重要な役割だと実感した一日でした。


