
岐阜市のアパートで断水を防ぐため給水ポンプを交換!屋上貯水槽設備のリニューアル工事事例
賃貸管理を行っていると、普段は目に見えない設備の重要性を改めて感じる場面があります。今回は、屋上の貯水槽へ市水を汲み上げるための給水ポンプの更新工事を行いましたので、その様子をご紹介いたします。
ポンプの不調が発覚
今回の建物は、1階が店舗、2階から4階が住居という複合用途の建物です。
1階店舗は市水が直接引き込まれているため、給水ポンプが停止しても水道を使用することができます。しかし、2階から4階の住居部分は、ポンプで市水を屋上の貯水槽へ送り、その貯水槽から各戸へ給水する仕組みになっています。
そのため、給水ポンプが故障するとすぐに断水するわけではありませんが、屋上の貯水槽の水が使い切られてしまうと、上階の入居者様は水が使えなくなってしまいます。
設備点検や現地確認を行う中で、ポンプの動作に不安定な様子が見られたため詳しく調査したところ、経年劣化による複数の不具合が確認されました。
制御盤内のコンデンサーが焼損
調査の結果、まず確認されたのがポンプ制御盤内のコンデンサーの焼損です。
コンデンサーはポンプの運転に重要な役割を担う部品ですが、長年使用していると劣化が進み、性能低下や故障が発生することがあります。
制御盤を開けてみると、コンデンサーには焼けた跡が確認され、いつ完全に停止してもおかしくない状態となっていました。

【コンデンサの破損】
ポンプ業者さんに来ていただき、応急処置でポンプ自体を稼働する状態にしてもらいました。ただしこのまま使用を続けることは非常にリスクが高い状況でした。
ポンプ周辺の腐食も進行
さらに現地確認を進めると、ポンプ本体や配管周辺にも腐食が見られました。
長年にわたり湿気や結露の影響を受けていたためか、金属部分の腐食が進行しており、一部ではわずかな漏水も発生していました。
最初は「少し濡れているだけかな」と思える程度でしたが、よく観察すると継続的に水が漏れている状態であることが判明しました。

【ポンプ周辺にかなりの腐食あり】
このままではポンプ本体だけでなく、周囲の配管や架台などにも悪影響を与える可能性があります。
設備は壊れてから交換する方が費用が安く済むように思われることもありますが、実際には故障後の緊急対応や断水対応、入居者様への影響を考えると、計画的な更新の方が結果的に大きなメリットがあります。
貸主様へ状況をご報告
現地調査の内容を写真付きで貸主様へご報告し、
- ・制御盤内コンデンサーの焼損
- ・ポンプ本体の老朽化
- ・周辺配管の腐食
- ・漏水の発生
- ・将来的な断水リスク
についてご説明いたしました。
故障してから対応するのではなく、入居者様への影響が発生する前に対策を行うべき設備であることをご理解いただき、このたびポンプ設備のリニューアル工事を実施することとなりました。

【新しいポンプ】
近年はポンプの納期が長期化
実は今回、工事実施までに少し時間を要しました。
その理由の一つが設備機器の納期です。
近年は全国各地で発生する地震や豪雨災害などの影響もあり、ポンプや給水設備関連の需要が高まっている状況です。また、製造や物流面の影響も重なり、以前に比べると給水ポンプの納期が長くなるケースが増えています。
今回もポンプの手配に時間がかかりましたが、その間も既設ポンプが何とか稼働を続けてくれたため、大きなトラブルになることなく更新工事の日を迎えることができました。
正直なところ、「工事日まで持ってくれるだろうか」と少し心配していましたが、最後まで頑張ってくれた旧ポンプには感謝です。

【新しいポンプ】
工事前の準備も重要
給水設備の工事では、工事そのものだけでなく事前準備も非常に大切です。
今回は断水を伴う作業となるため、事前に入居者様へ工事案内文を配布しました。
また、ポンプの搬入や取り外し作業では建物内の共用部や店舗前のスペースを使用する必要があるため、1階店舗の方へも事前にご挨拶を行い、ご協力をお願いしました。
店舗様にも快くご理解いただき、作業スペースの確保にもご協力いただくことができました。
この場をお借りしてお礼申し上げます。
設備工事は職人さんだけで完結するものではなく、入居者様やテナント様、貸主様など多くの方のご理解とご協力によって成り立っていることを改めて感じました。

【既設ポンプの取り外し作業】
工事当日は4名体制で実施
工事当日はポンプ工事店の職人さん4名で作業を実施しました。
まずは既設ポンプの停止と安全確認を行い、その後古いポンプや周辺部材の取り外し作業を進めます。
長年使用されてきた設備のため、ボルトや配管接続部分にも腐食が見られましたが、経験豊富な職人さんたちが手際よく作業を進めてくださいました。
新しいポンプの据付後は配管接続や電気配線を行い、制御盤との連動確認を実施します。
その後、給水運転を行い各部の漏水チェックや運転状況の確認を丁寧に行いました。

【取り外した既設ポンプ】

【新しいポンプの設置】

【新しいポンプと揚水管の接続】

【配管の保温材もバッチリ】
新しいポンプは驚くほど静か
すべての作業完了後、試運転を行いました。
ポンプは問題なく起動し、屋上貯水槽へスムーズに給水を開始しました。
運転状況や圧力なども良好で、漏水や異常振動もありません。
そして何より驚いたのは運転音です。
旧ポンプは経年劣化の影響もあり、運転時にそれなりの機械音が発生していましたが、新しいポンプは非常に静かでした。
ポンプ室の近くにいても動いていることが分からないほどで、技術の進歩を感じます。
設備更新というと「壊れたものを直すだけ」というイメージを持たれることもありますが、性能や省エネ性、静粛性が向上するケースも少なくありません。

【作業完了】
設備更新はトラブル予防の第一歩
賃貸管理では、設備が完全に故障してから対応するケースもありますが、今回のようにトラブルを未然に防ぐ更新工事はとても重要です。
もし今回ポンプが突然停止していた場合、
- ・上階住戸の断水
- ・緊急対応
- ・入居者様へのご説明
- ・復旧までの生活への影響
など、多くの問題が発生していた可能性があります。
設備の状態を定期的に確認し、適切なタイミングで更新を行うことで、大きなトラブルを防ぐことができます。
まとめ
今回は、屋上貯水槽へ市水を汲み上げる給水ポンプのリニューアル工事をご紹介しました。
制御盤内のコンデンサー焼損やポンプ周辺の腐食、漏水など、設備の老朽化が進んでいましたが、貸主様にご理解いただき、断水事故が発生する前に無事更新することができました。
工事にご協力いただいた入居者様、1階店舗様、そして丁寧に施工していただいた工事業者様に感謝申し上げます。
今後も入居者様が安心して生活できる環境を維持するため、見えない部分の設備についてもしっかり点検・管理を行い、快適な住環境づくりに努めてまいります。


