
岐阜市の賃貸住宅の漏水トラブル事例|水道料金の急増から発覚した埋設給水管の漏水
賃貸住宅を管理していると、設備に関するさまざまなトラブルのご相談をいただきます。その中でも特に注意が必要なのが「漏水」です。
今回は、当社で管理している貸家において、入居者様から「水道料金が急に4倍になった」とのご相談を受け、調査の結果、浴室のコンクリート内部に埋設された給水管から漏水していた事例をご紹介いたします。
同じようなケースは築年数の経過した戸建て住宅では決して珍しくありません。水道料金の急激な増加や漏水調査の流れについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
入居者様からの連絡 「水道料金が4倍になった」
ある日、当社管理物件の入居者様からご連絡をいただきました。
「水道料金がいつもの4倍近くになっているんです、、」

詳しくお話を伺うと、検針票には「漏水の疑いがあります」との記載もあったとのことでした。
水道料金が急激に増える原因としては、
- ・水の出しっぱなし
- ・トイレタンク内の故障
- ・給湯器や配管の不具合
- ・地中や床下配管の漏水
などが考えられます。
今回の場合、使用状況に特別な変化はなく、入居者様自身も心当たりがないとのことでした。
そのため、当社スタッフが緊急で現地確認を行うことになりました。
まずは室内を徹底確認
現地にて最初に行ったのは、目視による漏水確認です。
特に漏水の発生しやすい以下の箇所を重点的に確認しました。

トイレ
トイレタンク内の不具合やボールタップ故障による漏水は非常に多い事例です。
しかし、
- ・便器内への水流れなし
- ・タンク周辺の漏れなし
- ・床面の濡れなし
という状況でした。
キッチン
シンク下収納を開け、
- ・給水管
- ・給湯管
- ・排水管
を確認しましたが異常は見られませんでした。
洗面化粧台
洗面台下の給排水部分も確認しましたが、水漏れの痕跡はありません。
浴室
浴室水栓まわりやシャワー接続部なども確認しましたが、目視できる範囲では漏水は確認できませんでした。
建物の外周も確認
室内に異常が見当たらなかったため、次に建物外周の確認を行いました。
漏水が地中で発生している場合、
- ・地面が常に湿っている
- ・水たまりができている
- ・苔や雑草だけが異常に生育している
といった症状が現れることがあります。
しかし今回の現場では、
- ・水たまりなし
- ・地面の湿りなし
- ・異常な植物の生育なし
という状況でした。

【なんか基礎の色がおかしいかも??】
ただ、建物基礎の一部に若干色の変化が見られたため、念のためその付近を少し掘削して確認しました。
ところが、掘削した範囲でも水は出てこず、原因の特定には至りませんでした。

【配管があるかもしれないのでゆっくりすこしずつ掘りすすめます】

【塩ビの給水管が見えましたが、漏水は確認できず】
オーナー様へ状況報告
現地確認の結果、
- ・水道使用量は異常に増加している(水道メーターのパイロットが回りっぱなし)
- ・室内では漏水確認できない
- ・外部にも明確な漏水箇所が見当たらない
という状況でした。
当社より貸主様へ状況を詳細に報告し、今後の対応についてご相談させていただきました。
目視調査で発見できない漏水の場合、専門業者による調査が必要になります。
貸主様にもご理解いただき、後日、水道業者による漏水調査を実施することとなりました。
岐阜市水道部で給排水図面を取得
漏水調査を正確に進めるためには、建物内外の給水管や排水管の経路を把握することが非常に重要です。
そこで貸主様から委任をいただき、当社にて岐阜市役所水道部へ赴きました。
給排水設備図面を取得し、
- ・水道メーター位置
- ・引込管経路
- ・室内配管ルート
- ・給水分岐箇所
などを確認しました。

【給排水図面の一部 点線が給水で実線が排水】
図面を確認することで、どの位置に給水管が埋設されているかをある程度予測できるため、漏水調査の精度が大きく向上します。さっそく水道業者にも図面を共有しました。
専門業者による漏水調査開始
後日、水道工事業者に現地へ来ていただきました。
今回使用されたのは「聴診棒や音聴棒」と呼ばれる道具です。
漏水している配管では、水が噴出する際に独特の振動や音が発生します。
熟練した技術者はその音を聞き分けることで、漏水箇所を絞り込んでいきます。

【音聴棒によるイメージ】
実際に調査していただくと、
「かなり大きな漏水音がしますね」
との見解でした。
建物外部や床面を確認しながら調査を進める中で、特に浴室付近で大きな漏水音が確認されました。
浴室外部を掘削すると…
漏水箇所を特定するため、浴室外側を慎重に掘削していただきました。

【表面の砂利をどけて、少しずつ掘り進めました】

【漏水発見!!】

【さらに掘り進め】
すると、掘削した地中から水が湧き出してきました。
ここで初めて漏水の存在が目視で確認できたのです。
さらに詳しく確認すると、どうやら浴室内部側から水が流れてきている状況でした。

【しばらく見ていると水の動きがあり、室内から流れていることがわかりました】
給排水図面と現地状況を照らし合わせた結果、
浴槽の下付近に埋設されている給水管から漏水している可能性が極めて高い
という結論に至りました。
原因は浴槽下のコンクリート内部配管か
今回の建物では、浴室床下の給水配管がコンクリート内部に埋設されていました。
築年数が経過すると、
- ・配管の腐食
- ・継手部分の劣化
- ・ピンホール漏れ
などが発生する場合があります。
特に埋設配管の場合は、漏れていてもすぐに発見できません。
漏れた水が地中に浸透してしまうため、
- ・室内が濡れない
- ・床上に水が出ない
- ・外部にもすぐ現れない
というケースが少なくありません。
そのため、今回のように水道料金の急増によって初めて発覚することも多くあります。
修理方法の検討
漏水箇所を完全に露出させて修理する場合、
- ・浴槽撤去
- ・タイル解体
- ・コンクリート斫り工事
- ・配管修理
- ・復旧工事
が必要になります。
しかしこれを実施すると、
工期や費用が非常に大きくなってしまいます。
また、入居中であることから、生活への影響も考慮しなければなりません。
そこで水道業者と協議を行った結果、
既存配管を使用せず、新たな給水管を設置するルート変更工事
を行う方針となりました。
新たな給水管を浴室内へ引き込む工事へ
今回採用した方法は、
浴室壁面に穴を開け、新しい給水管を浴室内へ引き込む方法です。
この方法であれば、
- ・大規模な解体工事が不要
- ・工期短縮
- ・費用軽減
- ・入居者様への負担軽減
という大きなメリットがあります。
もちろん見た目やメンテナンス性も考慮したうえで後日施工を行う予定です。
まとめ
今回の事例では、水道料金が通常の約4倍になったことをきっかけに漏水が発覚しました。
当初は、
- ・室内異常なし
- ・外部異常なし
という状況で原因の特定が困難でしたが、
- ・現地調査
- ・給排水図面の取得
- ・専門業者による漏水調査
を経て、浴室下の埋設給水管からの漏水を特定することができました。
漏水は放置すると水道料金の増加だけでなく、建物への悪影響やさらなる被害につながる恐れがあります。
「最近水道料金が急に高くなった」
「検針票に漏水の疑いと書いてあった」
「どこから漏れているかわからない」
このような場合は、早めの点検・調査をおすすめいたします。
当社では今後も、オーナー様と入居者様の安心・安全な住環境を守るため、迅速な対応を心掛けてまいります。


