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漏水事故対応は現地調査が9割!賃貸管理の現場で必要な室内漏水の基礎知識を岐阜市の不動産管理会社が解説

管理部

賃貸管理の現場において、入居者からのクレームで最も緊急性が高い設備トラブルの一つが「漏水事故」です。

「天井から水が落ちてくる」「壁紙が濡れている」「床が水浸しになっている」といった連絡を受けると、
管理会社としては迅速な対応が求められます。しかし、焦って修理業者を手配しても、原因が特定できていなければ根本的な解決にはなりません。

漏水事故で最も重要なのは、

「どこから、なぜ水が出ているのかを特定すること」

です。

実際の漏水案件では、水が発生している場所と原因箇所が異なることが非常に多くあります。そのため、賃貸管理の現場では「漏水対応は現地調査が9割」と言われています。

本記事では、管理担当者が知っておくべき室内漏水の基礎知識と、現地調査時の着眼点について解説します。


室内漏水の主な原因は4つ
漏水原因は大きく次の4つに分類されます。

① 雨漏り
建物外部から雨水が侵入するケースです。
主な原因として、
・屋上防水の劣化
・外壁クラック
・シーリング劣化
・サッシ周りの防水不良
・バルコニー防水不良
などがあります。

雨漏りの特徴
・雨の日だけ発生する
・台風や大雨の後に症状が出る
・天井や壁にシミができる
・カビ臭が発生する

注意したいのは、

「天井から水が落ちている=雨漏り」ではない

ということです。

実際には給排水設備の漏水を雨漏りと勘違いするケースも多くあります。
まずは発生時期と天候との関係を確認しましょう。



② 給水管からの漏水
給水管とは、水道本管から各住戸へ水を供給する設備です。
発生箇所としては、
・キッチン
・洗面台
・トイレ
・浴室
・給湯器周辺
・パイプスペース(PS)
などの水回り箇所があります。

給水漏水の特徴

給水管漏水の最大の特徴は、

「誰も水を使っていなくても漏れ続ける」

ことです。

例えば、
・上階住人が不在
・深夜で誰も使用していない
・空室でも漏れている
という場合は給水管漏水の可能性があります。

また、
・漏水量が多い
・継続的に水が出る
・被害拡大が早い
という特徴もあります。




給水漏水調査で重要な「水道メーター確認」
管理担当者がぜひ知っておきたいのが、
水道メーターによる漏水判定
です。

漏水調査の基本中の基本と言えます。

パイロット確認とは?
水道メーターには小さな銀色や赤色の回転部分があります。
これを一般的に
「パイロット」
と呼びます。

住戸内ですべての蛇口を閉めた状態で確認し、
パイロットが回転していれば、
どこかで水が流れている
ことになります。

つまり、
・給水管漏水
・トイレタンク漏水
・給湯配管漏水
などの可能性が高くなります。

現地での確認手順

① 室内の蛇口をすべて閉める

② 洗濯機・食洗機の使用を停止

③ トイレ使用を止める

④ 水道メーターを見る

⑤ パイロットが回転するか確認

この確認だけで、
「給水側が原因かどうか」
を大まかに判断できます。


トイレタンク漏水も要注意
意外と多いのがトイレ内部の漏水です。
・ボールタップ不良
・フロート不良
・ゴムフロート劣化
などにより、
便器内部へ常時水が流れているケースがあります。

入居者からすると漏水の認識がなくても、
メーターは回り続けています。
毎月の水道使用量が急増している場合は要注意です。

③ 排水管からの漏水
賃貸管理の現場で最も発生件数が多いのが排水管漏水です。
排水設備には、
・キッチン排水
・洗面排水
・浴室排水
・洗濯排水
・トイレ排水
があります。

排水漏水の特徴
排水管漏水は、
「水を使った時だけ漏れる」
という特徴があります。

例えば、
・洗濯機を使用すると漏れる
・お風呂の後に漏れる
・キッチン使用時だけ漏れる
などです。

排水管漏水の主な原因
・排水ジャバラの破損
・排水トラップ緩み
・排水管接続部外れ
・排水立管のクラック
・詰まりによる逆流
築年数の経過した物件では接続部分の劣化も多く見られます。



④ 上階住戸からの漏水
漏水案件で最も多く疑われるのが上階住戸です。
実際、
・洗濯機ホース外れ(給水・排水)
・浴槽のあふれ
・トイレ詰まり
・排水逆流
・ペットの水こぼし
など人的要因による漏水も発生します。

しかし、
上階があるから原因も上階とは限りません。
実際には、
・共用部立管
・隠ぺい配管
・屋上防水
・外壁浸水
が原因であることも少なくありません。

先入観で判断しないことが重要です。


現地調査で確認すべきポイント
① どこが濡れているか
まず被害状況を確認します。
・天井
・壁
・床
・照明器具
・クローゼット内部
などを調査します。



写真撮影は必須です。

※必ず電灯も持参しましょう。
スマホライトでは光量が足りず、漏水箇所が確認できないことがあります。

② いつから発生しているか
・今日発見した
・数日前から
・数か月前からシミがあった
など発生時期を確認します。



長期漏水の場合は二次被害も発生しています。

③ 雨との関連
以下を確認します。
・雨の日だけ発生
・台風後に発生
・晴天時も発生
ここで雨漏りの可能性を絞り込みます。



④ 上階利用時との関連

上階住戸がある場合は、
・洗濯
・入浴
・キッチン使用
・トイレ使用
などで再現確認を行います。



排水管漏水の特定に有効です。

⑤ 点検口の確認

天井点検口がある場合は必ず内部を確認しましょう。

チェックポイントは、
・水滴
・配管継手
・木部の濡れ
・錆び
・カビ
・漏水跡
です。

原因特定につながる重要な調査ポイントです。
内部は暗いので必ず照明を持参しましょう。





漏水事故でよくある調査パターン
ケース1
下階天井からポタポタ落水
上階住戸で浴室使用
漏水量増加
浴室排水管不良


ケース2
天井シミ発生
雨の日だけ症状
屋上防水不良


ケース3
空室で漏水発生
水道メーターパイロット回転
給水管漏水


ケース4
下階洗面所天井漏水
上階洗濯機使用時のみ発生
洗濯排水管接続不良


漏水対応でやってはいけないこと
・原因未確定で内装工事
クロス張替えや塗装を先行すると再発します。
必ず原因除去が先です。
水の入口を確実に塞いでから水の出口の工事を行うようにしましょう。



・入居者の証言だけで判断
「上の人が原因です」
「雨漏りだと思います」
などの推測だけで決めないこと。
原因は調査結果で判断しましょう。

・記録を残さない
漏水事故は、
・火災保険
・個人賠償責任保険
・施設賠償責任保険
が関係するケースがあります。

そのため、
・現場写真
・動画
・調査記録
・修理報告書
は確実に保存しましょう。




まとめ
室内漏水の原因は主に、
・雨漏り
・給水管漏水
・排水管漏水
・上階住戸からの漏水
の4つに分類されます。

しかし実際の現場では、それぞれの症状が似ているため見た目だけで判断することはできません。

特に給水漏水では、

「水道メーターのパイロット確認」

が非常に有効です。

水を使っていないのにパイロットが回っている場合は、給水設備の漏水を疑う重要なサインとなります。

漏水事故対応で最も大切なのは、すぐに修理することではなく、

「現地調査で正確に原因を特定すること」

です。

発生場所、発生時期、雨との関係、水道メーターの動き、上階使用状況、点検口内部の確認などを丁寧に行うことで、的確な修理と再発防止につながります。

賃貸管理において漏水対応は避けて通れない業務です。だからこそ、「漏水対応は現地調査が9割」という意識を持ち、原因究明を最優先にした対応を心掛けましょう。

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